atelier

atelierのページではアーティストの仕事場をご紹介しています。


好きな作品を見つけると、それを作っている人に連絡をとり直接会いに行きます。好きな作品を作っている人に会ってみると、いつもその作家さん自身も人としてとても好きな人だったりします。


アーティストの作品だけでなく、どんな人が、どんなところで、何を考え、どうやって、作品作りをしているのかなど、そのアーティストの人となりを知り、興味を持っていただけたら、作品への新しい接し方が見えてくるかもしれません。

好きな作品がありましたら、そのアーティストのアトリエに遊びに来るような気持ちでこのatelierのページを覗いて見てください。

 

2011年

6月

04日

No.2 Papirklip 吉浦亮子

今回ご紹介するのは独自のペーパー・カッティング・アートを制作するPapirklip吉浦亮子さん。

針金を使ってさまざまなものをつるしてバランスをとるように構成したモビールとは違い、デザインナイフを使って紙を丁寧に切り出し、糸でつないで作るモビールです。モチーフは、動物、昆虫、雪の結晶、鳥、人物など、豊富なバリエーションで制作しています。

 

パピアクリップ「papirklip」はデンマーク語。

「パピア-papir-」は紙、「クリップ-klip-」は切るという意味。デンマークの伝統的なペーパーカッティングであり、デンマークでは部屋の装飾として季節に合わせて飾るものをかえて楽しまれているそうです。

 

吉浦さんがモビールに出会ったのは、デンマークの体操学校への留学中のこと。

ホームステイ先で頭の上でゆらゆらと静かにゆれていた手作りモビールに、すっかり魅せられてしまい、作り方を教えてもらい帰国。

日本に帰国してから、ロゴデザイナーの三浦滉平先生に師事しデザインを学んだそうです。

吉浦さんの作品はデザインから制作まで全てご本人の手で行われています。

まず、図案を切り取るので、一筆書きのように中に途切れてしまう部分が出ないよう、よく考えてデザインをおこします。

出来上がった図案をプリントし、きれいな色の紙に貼り、切り出していきます。

吉浦さんのデザインはよく見ると全て直線で構成されています。その細かな直線に定規をあて少しずつ切り出していきます。

実際に制作しているところを見せていただくと、本当に細やかで繊細な作業で、まさに職人技です。

普通の人であれば、勢い余って切ってはいけない部分まで切ってしまうところでしょう。

 

吉浦さんは切り紙の本を2冊出されているので、興味のある方はそちらも見てみてください。

図柄の細かさがよくわかると思います。

 

切り抜きが終わると、ひとつひとつ丁寧に糸とビーズをつけ、図柄がよく見える様パッケージに入れて完成です。ここまで本当に長い行程です。

モビールはアレクサンダー・カルダーが芸術作品として制作しましたが、このPapirklipの作品もデンマークの家庭用室内装飾という気軽さを残しながらも、作品の芸術性の高さから、まさに生活に取り入れることのできるアート作品としてお楽しみいただけると思います。

 

2011年5月26日〜31日に家具店/平安工房で開催される展示会では、平安工房の家具と合わせたディスプレイもご覧いただけます。

吉浦さんの展示では、デンマークでよく見られるクルクルとうねった枝を上手に使いディスプレイするので、そちらも必見です。

 

 

吉浦亮子 プロフィール

1977年 岩手県で生まれる

1997年 自由学園女子部最高学部卒業

1997年 デンマークオレロップ国民高等体操学校留学 モビールに出会う

1998年 デンマークより帰国2000年 デンマークモビールを基調としたデザインを三浦滉平氏に師事

2001年 代官山ギャラリーオリーブにて第1回個展

2001年 ファッションブランド エストウエストのクリスマスオーナメントとして全国7店舗で販売

2002年 大塚アトリエかしわにて第2回個展

2002年 横浜ロイヤルパークホテル ケーキショップ「コフレ」にてクリスマスの装飾

2002年 Bo Concept青山、新宿店にてクリスマスの装飾

2002年 大森ギャラリー「アペール」にてリースとパピアクリップのコラボレーション展

2003年 奈良 INOUE幡ギャラリーにて企画展

2004年 デンマークスカルス手工芸学校留学

2004年 婦人之友社「明日の友」の手工芸のページに「デンマークモビール」の作り方紹介

婦人之友社「婦人之友」にて手作りで贈り物のページにオーナメントカードの作り方紹介      

西馬込ギャラリー「イケダ&ロカー」にてリースとパピアクリップのコラボレーション展

2005年 日本橋三越 幡INOUEショップにてパピアクリップの展示販売

北欧音楽祭すわ2005にてパピアクリップ展      

広尾伊東屋パピエリウムにてクリスマスパピアクリップの展示販売

2006年 大森ギャラリーオーツーにてリースとパピアクリップのコラボレーション展

2007年 白金高輪ギャラリーroom21にて第3回個展     

アダム エ ロペ白金台店、渋谷店のクリスマスディスプレイ      

南青山ゲストハウスウェディングCONVIVIONのクリスマスディスプレイ      

雑誌Sumicoにてパピアクリップ紹介される

2008年 5月15日発売の女性セブンの「今どき手作り」特集でモビールの作り方を紹介。

6月11日から7月14日まで銀座松屋7階デザインコレクションのサマーギフトステーションでパピアクリップの展示販売。     

BNN新社出版の作家がつくる「紙のもの」という一冊の本の中でパピアクリップも紹介される。

代官山のヘアーサロン「メグリオ」にてパピアクリップ展示販売。                

8月27日〜9月1日まで銀座松屋8階でのスカンジナビアンスタイル展にて販売。     

川村美術館のミュージアムショップでパピアクリップの販売始まる。                  

名古屋ラシック5Fcabinet ATERIERでパピアクリップの販売始まる。     

9月30日〜12月7日まで上野の国立西洋美術館にて開催中の「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」でパピアクリップ販売。     

11月5日〜12月25日まで銀座松屋クリスマスギフトステーションにて販売。     

12月10日〜25日まで新宿高島屋TOKYO IN PROCESSにて第4回個展

 

 

2010年

5月

11日

No.1 イラストレーター Hannah Waldron

今回はARLEQUINのweb shopでも、素敵なシルクスクリーンプリントの絵を取り扱っているイラストレーターHannahのアトリエをご紹介します。Hannahの作品はこちら

イラストと同様に本人もとてもかわいらしい女性なのですが、そんな彼女が仕事をしているアトリエもHannahらしくとても素敵なアトリエでした。

ロンドンの東側にあるHannahのアトリエは、2人の友人とシェアするフラットの1部屋です。

Hannahのアトリエ以外のキッチンなどもとても素敵でした。

このアトリエには2回お邪魔したことがあるのですが、毎回かわいらしいカップでお茶を出してくれます。

大きな窓が二つあり、その前にはどちらも作業用のデスクが置かれています。

 

Hannahの作品はまずペンとインクを使い、手書きで作品を描きます。何層かにわけてハンドプリントされる場合はその層ごとに絵を描きます。最近は子供のころに使っていたガッシュや色鉛筆なども好んで使用しているそうです。

Hannahは小さなコマコマとしたものを集めるのが好きなようで、棚には少しずつ集めていったというHannahのお気に入りの小物が並んでいます。

V&A museumの企画展に参加した際に制作した絵本"a mobile home"の中にもこの棚に並ぶ小物が描かれていました。もし家を持ち運べるなら、その中に何を入れていきたいかというテーマの絵本だったので、この棚にある小物たちはHannahにとっての大切なものたちなのでしょう。

"a mobile home"はお家の絵が描かれたバックに入っていて、文字通り持ち歩けるお家です。

中は小さいものから順に家の中にあるものが描かれています。

ソファやカーペットなど赤を基調とした中に古い木の家具などでまとめられた部屋で、壁にはARLEQUINのweb shopでも販売されているHannahの作品"London"の原画が飾られていました。この絵は何もない壁にロンドンの眺めを作り出す、いわゆる窓のような作品です。

現在は既に出版された絵本"Rain day"(現在は販売終了)はこのアトリエにお邪魔した時にはまだ制作中でした。制作途中の"Rain Day"を見せてくれました。あと過去の作品なども色々見せてもらい、現在は残念ながらリミテッドエディション全てが売り切れてしまった"Today I am a Polar Bear"も見ることができました。この作品には1冊ずつにクマのマスクをかぶった人の指人形がついていました。指人形の背中側は1枚1枚異なるヴィンテージの布が使用されています。

その他にも現在ARLEQUINのweb shopで販売されている"Miniature Book"の原画も見せてくれました。

最後にHannahのインタビューをご紹介します。仕事のことから、それ以外のことまで色々聞いてきました。


1)プロフィール

Hannah Waldron

イラストレーター

1984年、ロンドン生まれ


2)略歴

Chelsea college of ArtのFoundationコースで学んだのち、The University of Brightonでイラストレーションを専攻。2007年卒業。その後ロンドンに戻り、アーティストが大きなひとつのビルの中にそれぞれのアトリエを持ち活動するCockpit Artsを拠点として活動をする。

ロンドンに戻ってから数多くの個展、グループ展を開催。Music videoのイラストを手掛けるなど精力的に活動をする。2009年春にはV&A museumからの依頼を受け絵本を制作、企画に参加する。2009年夏にベルリンに移転、2010年2月に再びロンドンに拠点を戻し活動を始める。


3)今の活動を始めてどのくらいですか?

私が絵を描き始めたのは、初めてペンを握れるようになった時からです!

絵を描くことは常に、私が大好きで、真剣に取り組んできたことでした。12歳の時からアーティストになりたいと思っていました。しかし、プロとして仕事を始めてからは3年くらいです。


4)なぜこの仕事に興味を持ち始めたのですか?

ただ絵を描くこととクリエイティブでいることが好きだったのと、周りから背中を押されていたからです。建築家の父親がきちんとした技術を教えてくれました。私はそれがただ好きだったので、自然と絵を描いていました。そして今でも私はそれが好きなので、絵を描いています。


5)作品のコンセプトは何ですか?

プロジェクトごとに異なります。それぞれのプロジェクトごとに異なるコンセプトがあり、それは私の生活や周りの環境の中で起きていることや、その時々に私が考えていること、影響されていることなどによると思います。私の仕事はほとんど日記みたいなものです。


6)どのように作品の制作していますか?

私はペンとインクで描くのが好きです。なぜなら細かく描くことができるからです。そしてもっとラフで自由に描きたいときには筆を使います。最近は子供のころに使っていたガッシュや色鉛筆を使うことがとても楽しいです。私は楽しみがなくなってしまわないように、できるだけコンピューターを使わないで仕事をしています。

私は自分の手で作品を仕上げるのが好きです。しかし、商業的な仕事やスクリーンプリントの準備にはコンピューターは多少不可欠となってしまいます。


7)作品制作に影響を与えている人はいますか?

Andrew Wyethが好きでした。彼の絵は時間と空間に対するセンスがあり、見事に精密に描かれているからです。Tacita Deanもインスピレーションを与えてくれます。なぜなら彼女の作品はとても鮮明で彼女もまた時間と空間という事柄に取り組み、本当に興味深いテーマを探し求め、それでいてビジュアル的にも力強い方法で表現するからです。

イラストレーションの勉強を始め、デザインに興味を持ち始めてからBruno MunariとEnzo Mariも素晴らしいと思いました。Munariは私がデザインの世界で最も尊敬する人です。私は彼のもの作りのアプローチや彼の作品の美しい考え方がとても好きです。彼は私が尊敬の念を抱く数多くの子供向けのイラストやデザインをしています。彼は私に子供向けの本への興味を向けさせてくれました。


8)今後はどのように仕事をしていきたいですか?

いいインパクトを与えられる方法で、みんなが楽しめるプロジェクトを作っていきたいです。そして、面白い人や組織とのコラボレーションもしていきたいし、楽しんで仕事を続けていきたいです。それと自分専用のプリントスタジオを持ちたいです。


9)お休みの時はどのように過ごしていますか?

好きなものを見たり、旅行に行ったり、友達などに会ったりしています。あと映画を見たり、いい音楽の中で踊ったり、バンドのライブに行ったり、面白そうな展示会へ足を運んだりもします。それと2歳の甥っ子と一緒に自転車に乗ったり走ったりします。


10)ロンドンで好きな場所はありますか?

私は今住んでいるこのDeptfordがとても好きです。そしてロンドンには素敵な場所で溢れています。Greennwich Park、Crystal Palace、Regents Parkなど公園はどれも素晴らしいし、London Zooも大好きです。(大きな動物が檻に入れられているのを見るの以外。それは悲しいので。)でも美しい建築と雰囲気があります。あとSouth BankとSouth Kensingtonの大きな家たちも好きです。それにThe BarbicanもThe National Galleryのような素敵な古い美術館と同じように素晴らしいと思います。ロンドンには小さな美しいエリアがそこかしこにあります。ロンドンはボート、自転車、歩くのには最適な場所です。公共交通機関は避けましょう!


11)もしイラストレーターでなかったら、何になりたいですか?

タップダンサーかミュージシャンになりたいです。でも私はちょっと恥ずかしがり屋なのと、それを仕事にするには情熱とスキルが足りないと思います!


12)イラストレーション以外で何か興味のあることはありますか?

音楽です。私は音楽がとても好きです。打楽器の勉強をもっとしたいのと、最終的にはバンドに入りたいです。

あと、ものを集めることと、人のコレクションに興味があります。これはここ数年私が気に掛けていることです。それと何かを学ぶことにも興味があります。もっと語学を学んでみたいです。


13)皆さんに何か一言。

私について読んでくれてありがとうございます。私の作品を是非見てみてください。そしてみなさんが私の作品を楽しんでくれるとうれしいです。